NEWS

相続コラム

『相続した空き家(亡き親の自宅)を売ったときの税金』

2022/06/13

当グループが運営するむかい相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『相続した空き家(亡き親の自宅)を売ったときの税金』です。

Aさん

昨年、実家で独り暮らしをしていた母が亡くなり、私が土地建物を相続しました。父も既に亡くなっていて、現在は空き家になっています。今後利用する予定もないので売却を検討していますが、売却すると税金がかかりますよね。

たかこサン

不動産を売却した場合で、売却金額から取得費や譲渡経費を差し引いた金額(譲渡所得)がある場合、その譲渡所得に対して税金がかかります。
譲渡所得に関する特例の中に、相続又は遺贈により取得した被相続人の居住用家屋またはその敷地等を、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売却して、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができるという特例があります。
この特例を使うことができれば、Aさんが負担する税金を抑えることができますね。

Aさん

売却金額は1,500万円程になる見込みなので、特例が使えるかどうかでかなり違いますね。一定の要件とは、どのような内容ですか?

たかこサン

主な要件は次のとおりです。
①ご相続開始の直前において被相続人であるお母様の居住用家屋であったこと
②昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物登記がされた家屋は除く)であること
③ご相続開始の直前において、被相続人であるお母様以外に居住していた人がいなかったこと
④ご相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
⑤売却代金が1億円以下であること
⑥相続の時から譲渡の時まで、事業、貸付、居住用として利用されていなかったこと
⑦建物とその敷地を売却する場合は、建物が一定の耐震基準を満たしていること
⑧更地にして売却する場合は、建物の全部を取壊した後に敷地を売却すること
⑨更地にして売却する場合は、取壊しから譲渡の時まで別の建物の敷地として利用されていたことがないこと
⑩売却した家屋や敷地について、他の特例の適用を受けていないこと
⑪同じ被相続人から相続又は遺贈により取得した居住用家屋またはその敷地について、この特例の適用を受けていないこと
⑫生計を一にする親族等の特別の関係がある人に対して売ったものでないこと

上記⑦⑧の要件にあるとおり、建物が一定の耐震要件を満たさない場合は、建物の全部を取り壊した後に敷地を売却する必要があります。
しかし、売却した後に、買主の方が建物を取り壊すという流れとした場合は、上記の⑧の要件を満たさず、特例が適用できなくなります。
建物の取り壊し時期は要注意です。
また、この特例を使うためには所得税の確定申告が必要となり、申告時に提出する書類も多くなります。相続した空き家のご売却を検討されている場合は、一度専門家にご相談されてはいかがでしょうか。