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相続コラム

『相続登記の義務化』

2022/05/26

当グループが運営するむかい相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『相続登記の義務化』です。

Aさん

1年ほど前に私の父が亡くなったのですが、まだ不動産の名義変更をしていません。この名義変更はいつまでにしないといけないのでしょうか?

たかこサン

相続による不動産の名義変更を「相続登記」といいますが、現在はその手続きを行うかどうかは任意であり、義務ではありません。しかし、昨年、相続登記の義務化に関する法律が成立しました。2024年4月から施行される予定で、相続登記が義務化されることになります。

<相続登記義務化の背景>
相続登記の義務化は、“所有者不明土地の解消”を目的に行われます。
所有者不明土地とは、登記簿謄本等で所有者が直ちに判明しない土地のことですが、その多くは、相続の際に、親の家や土地の名義変更をしないなど、相続登記が行われておらず、先代の名義のままになっていることが原因といわれています。
所有者不明土地は直ちに売却することができなかったりするため、土地の有効活用の妨げになっていますが、今回の相続登記義務化により、所有者不明土地の解消が期待されています。

<法改正で相続登記はどう変わる?>
①相続登記申請の義務化
現在は相続登記が義務化されておらず、相続登記を行う期間制限もありませんが、改正法では、不動産の登記名義人が亡くなった場合の相続人は、亡くなったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならないことになります。

②違反者に対しては過料も
相続登記を申請する義務がある人が正当な理由がないにも関わらず申請をしない場合は、10万円以下の過料が課される可能性があります。

③相続人申告登記制度の創設
上記のとおり、改正法のもとでは、3年以内に相続登記をしなければなりませんが、遺産分割協議が終わっていないなどの事情により、相続登記をするのが難しいケースもあるでしょう。そこで、「私が相続人です」と法務局に申請することにより上記の登記義務を果たしたことにしてもらえる“相続人申告登記制度”が創設されます。
すぐに相続登記ができない場合は、この制度を利用するとよいでしょう。

④国庫帰属制度の創設
相続登記義務化より一足早い2023年4月に、土地の国庫帰属制度が開始されます。条件を満たせば、相続した土地を国に引き取ってもらえる制度です。
注意点は以下の3点です。
・申請できる人:相続又は遺贈により土地の所有権を取得した人。売買や贈与等で取得した方は、対象外です。
・利用できる土地:建物がある土地、境界が明らかでない土地、担保権が付いている土地などは対象外です。
・費用:審査の手数料や、承認を受けた場合の負担金(10年分の土地管理費用相当額)を国に支払わなければなりません。

相続登記でお困りの方は、司法書士に相談されることをお勧めいたします。