NEWS

相続コラム

たかこサンの相続コラム『家族信託契約締結後の手続き』

2022/02/22

当グループが運営する石川金沢相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『家族信託契約締結後の手続き』です。

Aさん

私の父は今年80歳になりますが、加齢とともに判断能力が衰えてきています。
認知症になる前に、私が財産管理できるように家族信託をしておこうと思っています。
自分で調べていたところ、家族信託をするためには父と私の間で家族信託契約を締結しなければならないことは分かったのですが、その後はどのような手続きが必要になるのでしょうか。

たかこサン

ご認識のとおり、家族信託をする場合には、お父様とAさんとの間で家族信託契約を締結して頂く必要があります。一般的に、契約書の内容はご依頼者様からのヒアリングに基づき専門家が作成したものを、公証役場で公正証書にします。それにより、お父様の財産をAさんが管理できるようになるわけですが、契約締結後、お父様とAさんには、以下のようないくつかの手続きをして頂く必要があります。

①信託口口座の開設
Aさんがお父様から預かることになったお金を管理する専用の口座作成が必要になります。信託専用口座である「信託口口座」(通帳の名義は、「委託者〇〇(お父様のお名前) 受託者□□(Aさんのお名前) 信託口」のような連名になります)を作成することになります。

②信託口口座へのお金の移動
上記①で開設した口座へ、お父様の口座からお金を移動して頂きます。これにより、Aさんがお父様から預かったお金を管理できるようになります。

③固定資産税、公共料金、施設費用等の引落口座変更
これは必須ではありませんが、本来お父様が支払うべき税金や各種費用などは、Aさんが管理しているお金から支払うことができますので、引落口座を信託口口座に変更しておくとよいでしょう。

④不動産の登記手続き
不動産を信託した場合は、登記手続きが必要になります。お父様からAさんへの名義変更登記と信託登記を行うことになります。

⑤建物の火災保険等の契約者変更手続き
上記④により、信託した建物の名義人はAさんになりますので、火災保険等の契約者名義をAさんに変更しておく必要があります。

⑥収益不動産の不動産管理会社・賃借人への通知
アパートなどの収益不動産を信託した場合は、賃料の振込口座を信託口口座に変更してもらう必要があるため、不動産管理会社や賃借人に対して、その旨通知しなければなりません。

以上のように、家族信託契約の締結後にも各種手続きが必要になりますので、専門家に相談の上、進められることをお勧めいたします。