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相続コラム

たかこサンの相続コラム『妻名義の預金~夫の相続財産として相続税がかかる!?』

2021/11/18

当グループが運営する石川金沢相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『妻名義の預金~夫の相続財産として相続税がかかる!?』です。


Aさん
亡くなった夫が遺した財産は、自宅不動産と少額の預金だけでした。
相続税の申告は必要ないと思っていますが、他に確認しておくことはありますか?

たかこサン
相続税の申告でよく問題になるのが、生前贈与や名義預金です。
Aさんやお子様がご主人から生前贈与を受けたり、ご主人のお金をご親族の名義で預金していたり、ということはありませんか?

Aさん
子や孫の名義で預金はしていませんが、私は専業主婦だったので夫の収入で生計を立てており、「生活費の残りは好きに使って良い」と言われていたので、毎月の生活費の残りは私名義の預金口座に貯めていました。
結婚後ずっと続けていたので、私名義の預金はかなりの金額になっています・・・

たかこサン
そのようなご家庭はよくありますね。ご主人が働いていらっしゃって金融機関の手続きが難しいことから、奥様が口座を管理しているというケースもあると思います。
妻名義の預金は妻の財産であると思っている方が多くいらっしゃいますが、相続税の計算上は、夫の収入は夫の財産、妻の収入は妻の財産と考えます。

Aさんは専業主婦であり多額の収入を得ることはできず、預金の原資はご主人から渡された生活費の残りであることを考慮すると、Aさん名義の預金は相続税の計算上ご主人の相続財産とみなされる可能性があります。
夫が妻に渡した生活費は、夫婦共同生活の基金としての性質を有するものであるため、夫婦の共有財産だと考えられています。
仮にAさんがご主人から「生活費の残りは好きに使って良い」と言われてAさん名義で預金をしていたとしても、夫婦の共有財産であるという性質は失われないと解されているため、それだけでご主人からAさんへの贈与があったということにはならないのです。

Aさん
数十年前から貯めている預金であっても、夫の財産になってしまうのでしょうか?

たかこ
名義預金は贈与とは違って時効がないため、何十年前に作られた預金であっても、名義預金と認定されれば相続税の課税対象になってしまいます。
ご生前に生前贈与等の対策について専門家に相談されるのが望ましいですが、お亡くなりになった後にご親族名義の預金が見つかるケースもあるかと思います。
お亡くなりになられた方が遺した預金が名義預金に該当するかどうかについては判断が難しいため、一度専門家へご相談されることをお勧めします。