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相続コラム

たかこサンの相続コラム『生命保険契約照会制度』

2022/01/25

当グループが運営する石川金沢相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『生命保険契約照会制度』です。

Aさん
先日亡くなった父の相続手続きを行っています。父名義の預金や不動産などの財産は大体把握できたのですが、生前に父が生命保険に加入していると言っていた保険会社がわからず、保険金を請求できません。どうしたらよいでしょうか?

たかこサン
保険の存在を把握するには、まず遺品の中から生命保険証券や保険会社からの郵送物などを探すことから始めましょう。また、亡くなられたお父様の預金通帳を確認すると、保険会社への保険料が口座振替されているかもしれません。そうして保険会社の手がかりが見つかれば、相続人の方からその保険会社に問い合わせて、保険契約の内容を確認しましょう。

Aさん
父の遺品や通帳は調べましたが、保険会社の手がかりは見つかりませんでした。思えば父はここ数年、認知症により判断能力が低下していました。もしかしたら父が生命保険に加入していると勘違いしていただけかもしれません。

たかこサン

では、2021年7月1日に運用が開始された「生命保険契約照会制度」を利用してみてはいかがでしょうか。この制度は、近年の超高齢化社会の中、孤独死や認知症患者の増加等、家族が生命保険契約を把握しきれない事案が増えていくことを想定し、生命保険協会が創設したものです。

「生命保険契約照会制度」が利用できるのは、生命保険契約の有無を確認する方(照会対象者)が以下の状態になった場合です。
① 平常時に死亡した
照会対象者が病気等によって死亡し、保険契約の有無が分からない場合
② 認知判断能力が低下した
照会対象者が認知症等により判断能力が低下し、保険の加入状況が不明になった場合
③ 災害で死亡又は行方不明になった
照会対象者が災害で死亡又は行方不明になり、保険契約内容が不明の場合

照会方法は、インターネット又は郵送(災害で緊急の場合は電話も可)で行います。照会の際、3,000円(税込)の費用がかかります。

「生命保険契約照会制度」によって開示されるのは、「照会対象者が契約者または被保険者となっている生命保険契約の有無」と「契約している生命保険会社の名称」です。
「生命保険契約照会制度」によって開示されるのは、「契約の有無」です。詳細な保険契約の内容は、各保険会社へ個別に確認しなければなりません。

なお、保険金の申請は保険金支払事由が発生してから3年以内に行わねばなりません。期限を過ぎると時効により保険金を受け取れなくなってしまいます。
詳細な生命保険の加入状況がわからない場合でも、「生命保険契約照会制度」を使えば保険金受け取り漏れのリスクが低減します。
ご本人が認知症にかかってしまった、死亡した方がどこの保険会社に加入しているかわからないといった状況に陥ってしまったら、ぜひとも一度利用を検討してみてください。