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相続コラム

たかこサンの相続コラム『孫へ贈与したお金の浪費・名義預金対策』

2021/10/25

当グループが運営する石川金沢相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『孫へ贈与したお金の浪費・名義預金対策』です。

Aさん
私(70歳)には、娘(45歳)と、その孫(20歳)がいます。孫の将来のため、自分の相続税対策のために、今のうちから孫へ財産を贈与することを考えていますが、できれば孫には知られないように贈与したいと思っています。また、孫がこのお金を管理すると浪費してしまいそうなので、少なくとも孫が30 歳になるまでは娘に管理して欲しいと考えています。しかし、税務署から名義預金)と指摘されることも心配しています。何かよい方法はないでしょうか?(※親が、子や孫名義の口座にお金を入れており、親などが実質的に管理し、孫がその口座の存在を知らない場合は、実質的なお金の権利が孫に移っていないとみなされて、親に相続があったとき、その口座のお金は親の財産の一部と判断されてしまいます。これを「名義預金」といいます。

たかこサン
家族信託」を利用すれば、お悩みを解決できます。委託者をAさん、受託者を娘さん、受益者をお孫さんとする家族信託契約を締結することで、贈与したお金の権利は間違いなくお孫さんに移る一方、その管理は信託用口座で娘さんが行うことになります。また、家族信託契約の手続きは委託者(Aさん)と受託者(娘さん)で行いますので、受益者(お孫さん)に知られずに生前贈与を実現することができます。お孫さんを受益者にすることで、お金の権利はお孫さんに移りますので、「名義預金」と指摘されることもなくなります。
なお、上記のような家族信託契約にした場合、委託者と受益者が異なるため、贈与税の問題が出てきます。一度に多額の金額を贈与すると贈与税が多くかかってしまうため、贈与税がかからない範囲で信託用口座にお金を振り込んで贈与していくといったことなども併せて検討する必要があります

Aさん
なるほど。その方法であれば、私の希望がすべて叶いそうですね。ちなみに、娘ではなく、私が管理するということも可能なのでしょうか?

たかこサン
Aさん自身が管理する(Aさんが受託者になる)ことも可能です。その場合、Aさんは委託者兼受託者になりますが、これを「自己信託」といいます。この場合も、上記と同じような効果(お孫さんに知られずに贈与でき、管理はAさんがする)を得られます。
ただし、Aさんご自身が認知症などになってしまうと、お金の管理に支障が出てきてしまいます。認知症対策も考えたときには、ご年齢の若い娘さんが管理する(娘さんが受託者になる)方が適しているのではないかと思います