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相続コラム

たかこサンの相続コラム『財産管理委任契約』

2020/08/18

当グループが運営する石川金沢相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『財産管理委任契約』です。

Aさん
今はまだ元気ですが、今後、身体が不自由になって外出しづらくなったり、病院や施設に入ることになって自由に動けなくなったりすることがあるかもしれません。近くに頼れる親族がいないので、そうなった場合に自分で財産を管理していくことに不安を感じているのですが、何か良い方法はないでしょうか?

たかこサン
判断能力に問題がなくても財産管理に不都合が生じている場合は、財産管理委任契約を締結することで、信頼できる人に財産管理を任せることができます。
この契約のメリットとしては、①判断能力に問題がなくても利用できること②代わりにやってもらいたい財産管理の内容や管理方法を自由に決めることができることが挙げられます。
財産管理委任契約で任せられることには、以下のようなものがあります。
①通帳・印鑑などの管理
②権利証など重要書類の管理
③医療費、施設費、公共料金等の支払に関する事務
④入院契約、施設入所契約等の身上監護に関する契約の締結や解除

ご本人の判断能力に問題がないことが前提の契約であるため、受任者(財産管理を任された人)が適切に管理をしているかどうかの監督は、ご本人が行います。
また、デメリットとして、①成年後見制度のような取消権がないこと②財産管理契約の受任者であり代理権があっても、ご本人への確認なしでは進められない手続きが存在することが挙げられます。

Aさん
管理を任せたい財産や管理の方法について、自由に決めることができると安心できますね。自分の判断能力に問題がないうちは、財産管理委任契約を締結していれば財産管理は問題なさそうです。契約にあたって、契約書は作成しておいた方がいいのでしょうか?

たかこサン
管理を任せる財産や代理権の範囲、管理報酬や解除に関する規定など、契約締結後のことも考えてしっかりと契約書を作成しておくことが望ましいです。さらに、契約の内容が曖昧だと後々トラブルになる可能性もあるので、リスクを減らすために公正証書での作成をお勧めしています。
また、財産管理委任契約をした時点では判断能力に問題がなくても、年月が経つにつれて判断能力が衰えてしまうことも考えられます。判断能力が衰えてしまうと、適切に財産管理がされているかどうか監督することができなくなる恐れがあります。そのような場合に備えて任意後見契約も同時に締結し、ご本人の判断能力が衰えた時には、財産管理委任契約から任意後見契約へスムーズに移行できるような契約内容にしておくと良いでしょう。