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相続コラム

たかこサンの相続コラム『有価証券の家族信託』

2020/07/15

当グループが運営する石川金沢相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『有価証券の家族信託』です。


Aさん
高齢の父の財産管理に備えて、家族信託の利用を考えています。
不動産と金銭の他にも、父が保有している有価証券(上場株式)を、受託者である私に信託してもらいたいと考えていますが、可能でしょうか?

たかこサン
有価証券(上場株式)の信託は、法律上は可能ながら、実務上対応できていない状態が続いていました。対応している証券会社がなかったのです。
しかし、ここ最近はその状況も変化してきており、いつくかの大手証券会社では家族信託への対応が始まり、有価証券の信託口口座を開設できるようになりました。

Aさん
以前は、対応している証券会社がないと聞いていたのですが、それは朗報ですね。
有価証券(上場株式)を家族信託しておくメリットを教えてください。

たかこサン
有価証券(上場株式)の所有者の方が認知症等になり判断能力がなくなってしまった場合には、売却したり、新たに購入することはできなくなります。
これは、判断能力がなくなると、預貯金が引き出せなくなったり、不動産を売却したりできなくなることと同じです。
特に、大規模な経済危機や、昨今の新型コロナによる株価の急落などが起こった際に、所有者の方の判断能力がないために有価証券(上場株式)を売却できない状態になったときは、非常に大きな損害を被る可能性があります。
その点、有価証券(上場株式)を家族信託し、証券会社の信託口口座で管理しておけば、受託者(Aさん)の判断で、売却などを行うことができます。

Aさん
それは間違いなく家族信託しておいた方がよさそうですね。
なにか注意点はないでしょうか?

たかこサン
家族信託に対応している証券会社であっても、信託口口座の開設にあたっては、証券会社ごとに決められた要件を満たす信託契約書である必要があります。
一般的によくある要件としては、当初の受益者の死亡により信託が終了する旨の定めがあること(受益者連続型ではないこと)、委託者・受託者・受益者がすべて個人であること、公正証書であること、専門家(士業)が作成した信託契約書であることなどです。そのため、有価証券の家族信託をご検討の際には、証券会社への要件の確認が必須となります。
また、証券会社によっては、特定口座ではなく一般口座の信託口口座となったり、NISAを利用できない可能性もあります。その点に関しても、事前の確認が必要です。