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相続コラム

たかこサンの相続コラム『死後事務委任契約とは?』

2020/04/08

当グループが運営する石川金沢相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『死後事務委任契約とは?』です。


Aさん

私は一人暮らしで、親戚とも疎遠で近くに頼れる人がいません。今は元気なので問題ありませんが、将来、自分が死んだ後の手続きを親族に頼むのは心苦しいです。何か良い方法はないでしょうか?

たかこサン

死後事務委任契約という契約を結ぶことで、ご自身の死後の手続きを第三者に任せることができます。お元気なうちに、信頼できる方を見つけて死後事務委任契約を結んでおくことで、ご自身の意思を反映した死後事務を実現することができます。

死後事務委任契約で委任する手続きには、以下のようなものがあります。
①通夜、葬儀、火葬、納骨、埋葬、永代供養に関する事務
②親族等への訃報連絡に関する事務
③医療費、老人ホーム等の施設利用料等の清算に関する事務
④生活用品、家財道具等の処分に関する事務
⑤公共サービス等の名義変更、解約、清算に関する事務
⑥行政官庁等への諸届け事務
⑦SNSアカウントの処分に関する事務
⑧相続財産管理人の選任の申立てに関する事務

委任する手続きは、ご自身の希望に応じて自由に決めることができます。また、委任した事項について、さらに詳細な内容(例えば、葬儀の方法・お寺・おおよその費用、訃報連絡をする相手など)を決めておくことも可能です。

契約で定めた事務手続きを行うにあたって、様々な費用が発生します。そういった場合に備えて、契約の受任者へあらかじめ一定の金額を預けておく方法もあります。預けたお金はあくまでもご自身(委任者)のものですので、受任者には自分の財産と分別して管理する義務があります。

Aさん

 自分が望む内容の手続をしてもらえるのは嬉しいですし、元気なうちに色々決めておけば安心できそうですね。そういった事務手続きに関する希望を、遺言書に書いておくことはできないのですか?

たかこサン

遺言書は、あくまで財産の分け方に関することを書くものなので、死後の手続きに関することを記載しても法的拘束力がなく、希望通りに実現されるかは分かりません。

死後事務委任契約で財産の分け方を決めることもできませんので、財産に関することは遺言書で、死後の手続きについては死後事務委任契約書で、それぞれご自身の意思を遺しておかれると良いと思います。

また、実際に手続きが行われるのはご自身の死後となるため、相続人との間でトラブルになるリスクを減らすためにも、公正証書で残しておくことをお勧めします。