NEWS

相続コラム

『認知症から資産を守るには』

2024/09/24

当グループが運営するむかい相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『認知症から資産を守るには』です。

Aさん

最近、認知症になると自分の資産がどうなるのか心配になってきました。まだ健康ですし、急いで考える必要はないでしょうか?

たかこサン

元気なうちは、認知症のことを考えるのは少し先のことに感じるかもしれませんね。ただ、実際には元気なうちに備えておくことが、とても大切です。認知症になると、自分の資産を適切に管理することが難しくなるケースが多いのです。

Aさん

たとえば、どのような問題が起こりますか?

たかこサン

まず一つ目は預金口座の管理です。認知症が進行すると、自分で意思表示ができなくなってしまい、銀行でお金を引き出す際に本人確認ができないことがあります。すると、家族が代わりにお金を引き出そうとしても、法律上の制約でそれができなくなり、医療費や生活費を家族が立て替える必要が出てくることもあります。
次に考えられるのは、不動産の処分です。認知症が進行した場合、介護施設に入るために自宅を売却して介護費用に充てたいと考えても、所有者の意思確認ができず、その手続きが進まないことがあります。
また、遺産分割協議も問題になります。認知症によって判断能力が不十分な場合、相続人としての役割を果たせなくなり、遺産分配が進まないことがあります。

Aさん

今のうちに何か対策をしておいた方が良さそうですね。どんな方法がありますか?

たかこサン

まず、『任意後見制度』というものがあります。これは、あらかじめ信頼できる人を後見人として選んでおくことで、将来自分が判断能力を失った際に、その後見人があなたに代わって資産を管理し、必要な手続きを行う制度です。
『家族信託』という方法もあります。家族信託では、信頼できる家族に財産の管理を託しますが、その範囲や内容は契約で細かく決められます。例えば、自宅の売却や生活費の管理など、特定の財産についてだけ信託することもできます。これによって、自分が意思決定できなくなった後でも、家族があなたの財産を適切に管理し、必要に応じて利用することができます。
もう一つ考えられるのは、『生前贈与』です。これは、元気なうちに財産を子どもや孫に渡してしまう方法です。これによって、相続の際のトラブルを避けることができるだけでなく、将来の相続税対策としても有効です。

Aさん

色々な方法がありますね。ただ、どれが自分に合っているのか分からないです。

たかこサン

元気なうちに専門家に相談して、自分に合った対策を考えることが重要です。早めに準備を始めることで、将来の不安を少しでも減らし、安心して過ごすことができるようになりますよ。