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相続コラム

『相続した不動産を売却したときに利用できる特例』

2024/04/17

当グループが運営するむかい相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『相続した不動産を売却したときに利用できる特例』です。

Aさん

親から相続した不動産は、いずれは売却したいと考えています。売却する時期によって、税制上のメリットはあるのでしょうか?

たかこサン

1.相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算の特例)
相続または遺贈により取得した土地、建物、株式などの財産を、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。

<特例の適用を受けるための要件>
(1)相続や遺贈により財産を取得したものであること
(2)その財産を取得した人に相続税が課税されていること
(3)その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること

2.被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例
相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売却し、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円(注)まで控除することができます。
(注)令和6年1月1日以後に行う譲渡で被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は2,000万円までとなります。

<特例の適用を受けるための要件(抜粋)>
①相続開始の直前において被相続人の居住用家屋であったこと
②昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物登記がされた家屋は除く)であること
③相続開始の直前において、被相続人以外に居住していた人がいなかったこと
④相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
⑤売却代金が1億円以下であること
⑥相続の時から譲渡の時まで、事業、貸付、居住用として利用されていなかったこと
⑦建物とその敷地を売却する場合、譲渡の時において一定の耐震基準を満たすこと(令和6年1月1日以後の譲渡の場合は、譲渡の時から翌年2月15日までの間に一定の耐震基準を満たすこととなった場合も含む)
⑧⑦の要件を満たさない場合、譲渡の時から翌年2月15日までの間に、建物の全部の取壊しを行ったこと(令和6年1月1日以後の譲渡に限る)
⑨売却した家屋や敷地について、他の特例の適用を受けていないこと
⑩同じ被相続人から相続又は遺贈により取得した居住用家屋またはその敷地について、この特例の適用を受けていないこと
⑪生計を一にする親族等の特別の関係がある人に対して売ったものでないこと

Aさん

特例の要件を満たす場合は、期間内に売却する方向で検討するのが良さそうですね。

たかこサン

いずれの特例を適用する場合も所得税の確定申告が必要となりますので、不動産を売却される場合は譲渡所得が生じるかどうか、特例の適用を考えておられる場合は要件を満たしているかどうか、一度お近くの税理士にご相談されることをおすすめします。