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相続コラム

『相続税の税務調査に備えて生前にしておくこと』

2024/03/05

当グループが運営するむかい相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『相続税の税務調査に備えて生前にしておくこと』です。

Aさん

私の父が亡くなった場合、おそらく相続税がかかると思います。相続税は税務調査が入りやすいと聞きましたが、生前に何かできることはあるでしょうか?

たかこサン

① 財産、債務の棚卸
不動産、預貯金、有価証券、生命保険、債務等に関して、それぞれの内容を改めて確認し、ノートなどにまとめておきましょう。

② 預金の使途の確認
預金の使途不明が多いと、税務署から財産漏れを疑われる場合があります。亡くなってしまってからでは、何にお金を使ったのか把握が困難になることがあるので、生前に過去10年分くらいの通帳内容を確認し、100万円を超える出金については、使途を通帳等にメモしておくとよいです。
例えば、リフォーム代、医療費、旅行代、孫へのお祝い、証券の購入、生命保険の加入などのメモがあるとよいです。

③ タンス預金の解消
タンス預金(自宅に置いてある現金)が多い場合は、財産を隠している傾向があると税務署に疑われる場合があります。また、2024年から新紙幣になりますので、旧紙幣でタンス預金をしている場合は、使う際に不便が生じることもあります。タンス預金は生前に預貯金口座に入れたり、一時払いの終身保険に加入したりして解消すると良いでしょう。

④ 名義預金の有無の確認
名義預金とは、実際のお金の所有者と名義が異なる預金のことをいいます。例えば、祖父母が孫名義の口座をつくって預金したり、専業主婦の方が夫の収入を自分の名義で預金したりするケースです。
名義預金は名義人の財産ではなく、実際のお金の所有者の財産とみなされます。そのため、亡くなった方が実際のお金の所有者の場合は、相続財産とみなされます。
相続税の税務調査では名義預金の指摘がとても多いです。

名義預金がないかしっかり確認し、ある場合は次のような対応が必要です。
・本来の所有者の名義に戻す
・名義人に贈与する(基礎控除を超える場合には贈与税申告をする)
・名義はそのままでも財産目録に含めて考えておく

⑤ 保険契約の確認
死亡保険金については漏れる可能性は低いのですが、漏れやすいのは生命保険契約の権利(保険契約者が亡くなった人で、被保険者が亡くなった人以外の保険)や、名義保険(契約者は亡くなった人以外だが、保険料を支払っていたのは亡くなった人)です。そのような保険がないか確認しておきましょう。

⑥ 契約書の作成
お金を贈与したり、貸付をしている場合や、不動産の貸付をしている場合は、贈与契約書や金銭消費貸借契約書、不動産賃貸借契約書を作成しておくのが望ましいです。
契約書がないと、契約の真偽や契約内容が税務調査で問題になることがあります。

相続税の税務調査に備えるためには注意すべき点が多いため、相続を得意とする専門家にご相談されることをお勧めします。