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相続コラム

『相続税の申告期限はいつ?』

2023/08/30

当グループが運営するむかい相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『相続税の申告期限はいつ?』です。

Aさん

音信不通だった独り身の兄が亡くなったことを、死亡日から半年後に知りました。相続税もかかりそうなのですが、期限が10か月ということはあと4か月で相続税を申告して納めなければならないのでしょうか?

たかこサン

相続税の申告期限は、『その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内』とされており、相続の開始とは通常の場合、被相続人(亡くなった方)の死亡した日を指します。

一般的な場合は、「死亡した日=死亡を知った日」に該当すると思いますので、死亡した日の翌日から10か月以内に相続税の申告をする必要があるということになります(相続税の納付期限も同日になります)。

ただし、例外として次の様なケースもあります。

① 「死亡した日」と「死亡したことを知った日」が異なる場合
ご質問のケースのように、「死亡した日≠死亡したことを知った日」の場合には、『死亡したことを知った日の翌日から10か月以内』が相続税の申告期限となります。Aさんの場合は、死亡日から半年後を起算として、その翌日から10か月以内に相続税を申告・納付をすれば大丈夫です。

② 相続人以外への遺贈があった場合
法定相続人以外の人に遺言で財産を与えることを遺贈といいますが、受遺者(遺贈を受ける人)の申告期限は、『遺贈があることを知った日の翌日から10か月以内』となります。

③ 10か月後が土日祝日の場合
10か月後が土曜日、日曜日又は祝日だった場合、申告期限はその翌日以降の平日となります。具体的な期限日については、カレンダー等で曜日まで確認しておくことが大切です。

④ 連続して相続が発生した場合
こちらは少し難しい内容ですが、被相続人が死亡してから、申告期限前に相続人が死亡してしまった場合(数次相続)は、その相続人の申告期限が変更されます。

 例えば父が令和5年1月15日で死亡した場合(一次相続)、母と子の相続税の申告期限は原則では令和5年11月15日となりますが、仮に母が令和5年3月15日に父に関する相続税の申告書を提出せずに死亡した場合(二次相続)には、一次相続に関しては母の申告期限が延長され、二次相続と同じ令和6年1月15日が相続税の申告期限となります(母の一次相続の申告義務は子が引き継ぎます)。
 尚、子自身の一次相続の申告期限は、母の相続が発生しても、当初から変わらず令和5年1月15日となりますのでご注意ください。

上記以外にも災害等があった場合の特例など、相続税の申告期限は意外と例外が適用となる場合もあります。期限を間違えると延滞税や加算税などの思わぬペナルティが発生することになりますので、詳しい内容は専門家へご相談されることをおすすめします。