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相続コラム
『令和5年度税制改正 生前贈与の見直し』
2023/04/26
当グループが運営するむかい相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『令和5年度税制改正 生前贈与の見直し』です。
Aさん
生前贈与の税金について税制改正があったと聞きましたが、詳しい内容を教えてください。
たかこサン
令和5年税制改正により、生前贈与に関する税金計算について、次の様な改正がありました。
〇相続税の生前贈与加算 3年から7年に
生前に贈与を受けた財産は、毎年110万円までは贈与税がかかりません。ただし、贈与をした方が、贈与をした日から3年以内に亡くなった場合には、贈与を受けた相続人等が3年以内に受けた贈与金額を相続財産に加算して相続税の計算をする必要があります。
令和5年度税制改正では、この加算される期間が3年から7年に延長されます。適用時期は令和6年1月1日以後の贈与からとなります。
〇相続時精算課税制度の見直し
相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与の際の贈与税は2500万円まで非課税という制度ですが、贈与した父母・祖父母に相続が発生した場合には、贈与金額を相続財産に加算して相続税を計算するという制度です。
これまでは、相続時精算課税制度を選択した場合は、毎年110万円までの贈与であっても贈与税申告をしなければならなかったのですが、令和5年度税制改正では、毎年110万円までの贈与については、相続時精算課税制度を選択していたとしても贈与税申告が不要となります。
〇教育や結婚目的贈与の優遇措置 期限延長
30歳未満の方が父母・祖父母から学校の授業料や塾代などの教育目的で1500万円を上限に一括で贈与を受ける場合、贈与税が非課税になる優遇措置については、令和5年3月末が期限でしたが、この期限が3年延長されます。ただし、相続税の課税対象の財産が5億円を超える富裕層については、非課税とする条件を厳しくするなど要件の見直しが入ります。また、結婚や出産などにかかる資金を祖父母らから援助してもらう場合に、1000万円を上限に贈与税を非課税としている措置についても、令和5年3月末の期限が2年延長されます。
Aさん
この改正によって、相続対策を行う上で、どのような影響が考えられますか?
たかこサン
生前贈与加算の年数が7年に延長されたことにより相続財産が増加しますので、増税の改正になります。一方、相続時精算課税制度を選択した場合に、毎年110万円までの贈与が非課税となるため、相続時精算課税制度を利用した相続対策がしやすくなると考えます。
相続対策を考えられている方は、これまで以上に早め早めの対策を打っていくことが重要となります。ぜひ、相続専門の税理士に相談し、円滑な資産の承継を検討されることをおすすめします。