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相続コラム

『成人年齢引下げによる相続・贈与への影響』

2022/11/29

当グループが運営するむかい相続サポートセンターから相続コラムをお届け致します。
今回は『成人年齢引下げによる相続・贈与への影響』です。

Aさん

平成30年の民法の一部改正により令和4年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられ、同日において18~19歳の人は新成人となり、令和4年4月2日以降生まれの人は18歳の誕生日に成人となります。この改正は、相続や贈与にも影響ありますか?

たかこサン

今回の民法改正による成人年齢の引下げにより、相続や贈与には例えば次のような影響があります。早期に制度が可能となるケースだけではなく、これまでより増税となるケースもありますので、ご注意ください。

【相続税】
相続税の計算上、相続や遺贈で財産を取得した法定相続人が未成年だと税額から一定額を差し引ける「未成年者控除」が適用できます。今回の改正により、令和4年4月1日以降の相続や遺贈について、次のように控除額が縮小されることとなりました。
(改正前の未成年者控除額)「その未成年者が満20歳になるまでの年数×10万円」
(改正後の未成年者控除額)「その未成年者が満18歳になるまでの年数×10万円」

【贈与税】
次の贈与税に関する制度や特例については、令和4年4月1日以後の贈与について、受贈者の年齢要件がその年1月1日において18歳以上であることに引下げられ、これまでより早期に適用できるようになりました。
・相続時精算課税制度
・贈与税の特例税率(暦年贈与)
・住宅取得等資金の贈与の非課税等

上記のほか、非上場株式等の贈与税の納税猶予及び免除、結婚・子育て資金の非課税などの贈与税の特例についても適用年齢が引き下げられています。

【遺産分割協議書の締結】
また、相続に関連する内容として、遺産分割協議にも影響があります。未成年者は、単独で法律行為が行えないため、特別代理人等なしでは遺産分割協議に参加することができず、その手続きは割と複雑で時間も要しましたが、今回の改正により、18歳でも、単独で遺産分割協議ができるようになりました。

このように未成年者がいる場合の相続・贈与に関しては、成人年齢の引下げの影響を受けるケースが考えられますので、専門家にご相談されることをお勧めします。